レコード収集が好きだと言うと、
「へ~、そうなんだ!良い趣味だね!」
みたいな感じで、みんな好意的な反応をくれるんです。
でも絶対に、
「よし!楽しそうだし、私もレコード収集はじめるぞ!」
とはならないんです。
それは、みんな本能的に分かっているから。
レコード収集はなんとなく良さげでおしゃれっぽい雰囲気に対して、圧倒的なデメリットが待っている修羅の道だということを。
まぁ、ちょっと考えたら分かりますよね。
- インターネットでサクッと音源が見つかるのに、アナログなレコードを探す非効率さ。
- スマホで音楽聞けるのに、ターンテーブルとか機材を揃えないと聴けないという手間。
- Apple Musicだと月額980円で楽曲が聴き放題なのに、高いレコードを買う不合理さ。
レコード収集は「非効率・手間・不合理」の道をあえてつきすすむという、現代文明に対するアンチテーゼな行為なのです。
別の言い方をすると、
ちょっとかっこいい感じはするけど、その代償としてお金がバンバン飛んでゆき、なおかつ結構な手間ひまをかけなければいけない趣味なのです。
私はレコード収集が大好きで、学生時代からずっと続けています。
音楽が好きで、ものを収集するのも好きだし、趣味のDJでレコードを使う機会もある。
ですが先日、棚にぎっしり詰まったレコードを見てふと思ってしまったのです。
「あれ?なんでこんなにレコード収集してきたのだろうか?」
「もっと有意義にお金とか時間つかえたんじゃないか?」
「Apple Musicでいくらでも音楽聞けるのに、なんでまだレコード買ってるんだ?」
冷静に考えだすと、自分の趣味に自信が持てなくなってきてしまった。
このままでは10年以上続けてきた自分のアイデンティティが崩れてしまう。
自分のなぜレコード収集が好きなのか再確認する意味も込めて、レコード収集という趣味のデメリットと魅力を考えてみようと思います。
レコードや音楽に興味があれば、下記記事もご参照ください。
愕然!圧倒的なデメリット
レコード収集について改めて考えてみると、デメリットの数々に圧倒されます。
自分がやってきたことが、あまりにも非合理に思えてきて悲しい気持ちです。
シンプルに値段が高い
レコードって1枚で2~4曲ぐらい入っているんですよ。
それでだいたい1,000~2,000円ぐらいするんですけど、シンプルに高いですよね。
iTunesだと1曲200円ぐらいじゃないですか。
Apple Musicなら月額980円で聴き放題じゃないですか。
なぜ、わざわざレコードみたいな面倒なものに高いお金をかけるのか。
私は毎月レコードに5万円から10万円かけている時期がありましたが、たぶん好きな人はもっとお金かけてると思います。
高いお金を払う代わりに、レコードそのものとジャケットが手に入るのは最高に魅力的です。
それでも金額を上回るメリットにはならないかなぁと思ってしまいます。
欲しいレコードが手に入らない
今でも新譜のレコードってリリースされてるんです、ダンスミュージックとかだと。
でも人気のレコードってすぐに売り切れるんです。
人気のある昔の名曲なんかも出回っていないか、値段が高額かのどちらかです。
つまり自分の好きなレコードを手に入れるのに、けっこうな時間とお金を費やさないといけないんです。
これがデータなら、みんなが好きなだけ曲をダウンロードできます。
アナログレコードは供給数が限られているので、熾烈な争奪戦が繰り広げられるのです。
それゆえに欲しいレコードが見つかる喜びや、希少価値がでてくる楽しさもあるのですが。
レコードはかさばる、整理が面倒くさい
レコードってかなりサイズが大きいんです。
なのでレコード収集を趣味にすると、部屋のスペースがかなり制限されます。
まずレコードを収納する棚が必要になり、ターンテーブルやスピーカーを設置するスペースも必要になります。
IKEAのKALLAXを使ったりすることが多いのですが、まぁそれなりの存在感になります。
整理もめっちゃ大変です。
収集したレコードが1,000枚にもなると、聴きたいレコードを見つけ出すのに30分ぐらいかかってしまうこともあります。
見つけやすいように整理してはいるのですが、それでもレコードの総数が1,000枚にもなると迷子になるレコードは出てきてしまうんです。
今はパソコンやスマホで簡単にプレイリスト管理ができるので、レコードの整理はとてもアナログで非効率な作業に感じてしまいます。
伝われ!捨てがたい魅力
どう考えても論理的なメリットは見いだせないので、気持ちや勢いに頼るしかないです。
収集心が満たされる
もうこれだけのために続けているんじゃないかと思います。
モノを集めるのって楽しいじゃないですか!
本でもフィギュアでも切手でもコレクターっているでしょ!
それが私にとってはレコードだっただけです!
好きなものに囲まれていたら幸せな気分になります。
かっこいいジャケットのレコードを眺めたり、自分のお気に入りの曲をレコードプレーヤーで聴く至福のひととき。
そこにどれだけのデメリットがあろうと、好きな気持を裏切ることはできません。
おしゃれ、通な感じが出る
レコード収集をはじめるきっかけなんて、かっこつけ以外に理由ないです。
自分の部屋にレコードプレーヤーがあったり、かっこいいジャケットのレコードがあったらいい感じですよね。
なんとなく、レコードで音楽聞いていたら通な感じがしますよね。
「家でレコード流しながらコーヒー飲んでる俺かっこいい」という気持ちを味わうために膨大な時間とお金を費やしているのです。
残念ながら、このかっこよさは自己満足にしかならないケースがほとんどです。
「レコード聴きたいから、こんど家に遊びに行っていい?」と異性から言われたこともないですし、対外的に役に立ったことはほとんどありませんね。
レコード収集でモテることはないと断言できます。
レコードでしかない音源がある
たまーにレコードオンリーの音源があります。
こういうのを持っていると収集心が満たされて、得した気分になるんです。
一般的にそんな音源まで聴く人はかなり限られていると思いますので、ごく一部の方にしかメリットにならない魅力ではあります。
こういう珍しい音源は供給数も少ないので、熾烈な争奪戦を勝ち取るために多大な時間と費用を費やすことにもなります。
自分が欲しいレコードがあると、後先とか考えられないんですよね。
そこまでして欲しいレコードがあるって、幸せやん?
まとめ
改めてレコード収集という趣味について考えてみましたが、明確なデメリットに対して、魅力はなんともフワッとしたものだなぁと思います。
そもそも趣味にメリットを求めるのがどうかと思いますが、あまりにもデメリットがはっきりしていて戦慄しました。
もはや、みなさんになにを伝えたいのかも分かりません。
レコード収集はとっても楽しいですが、おすすめしてはいけない趣味のような気がします。
田我流の「墓場のDigger」という曲、レコードコレクターの気持ちをうまく言い表してくれています。
「遊び半分ならやめとけよboy」というリリックは真理ですね、絶対サブスクサービスとかでサクッと曲聴くほうが賢い。
ただレコード収集するの、めちゃくちゃ楽しいですけどね!